マークXVIII

今春も時計界が賑わいを見せました。
毎年4月、世界最大の新作時計の見本市、WATCHES AND WONDERS GENEVA(ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ)が開催され、多くのブランドが一斉に新作を発表します。
どんな時計が発表されるのか、緊急速報を追いかけて現地時間を計算しながら今か今かと待ちわびてしまう気持ち、時計好きには共感していただけますでしょうか。

今回ご紹介するIWCも勿論のこと、この展示会に参加しています。
IWCは毎年1つのコレクションに焦点を当ててリニューアル・新作発表を行っており、今年はポルトギーゼのコレクションが刷新されました。

今回はそんなIWCの両翼を担うもう1つの人気コレクション、パイロットウォッチよりマークXVIIIをご紹介いたします。

 

パイロットウォッチ

IWCと言えばポルトギーゼ、という人も多いかもしれません。
しかしパイロットウォッチのコレクションも同じく人気を誇り、ポルトギーゼがスタイリッシュなイメージであればパイロットウォッチはより時計愛好家から好まれる傾向にあります。
それは歴史やデザインに豊富なストーリーがあるからです。

パイロットウォッチは軍用時計としてのルーツを持ちます。
第2次世界大戦では英国軍に制式採用され、空軍のパイロットに愛用されました。
軍用時計とは、確かな精度と耐久性が要求されるため、厳格な基準をクリアしなければなりません。
つまりパイロットウォッチが軍に採用されていたという歴史は、IWCの技術力と高品質な時計製造を証明することになります。

IWCのモノづくりは質実剛健と称され、合理的なデザインから機能美を感じさせる時計が多く展開されています。
パイロットウォッチにもまたそのDNAが刻まれており、武骨な印象が強い軍用時計ですが、やはりIWCらしいクラシカルな雰囲気をもっています。

中でもマークシリーズは、航空機の計器を彷彿とさせる表情が特徴。
これは1948年に製造が開始されたマークXIからデザインを踏襲しています。
マークXIは最もIWCに名声をもたらしたモデルと言われ、パイロットウォッチの座標とされています。

 

 

マークXVIII

初めて民間用にも販売が開始されたマークXIを初代とすれば、マークXVIIIは6代目にあたります。

ケースサイズは40mm、厚さ11mm。
急激な加減圧に備えるためミドルケースとベゼルが一体化した構造をしています。
ケース全体のサテン仕上げが落ち着いた印象を与え、ラグのエッジやベゼル上面に施された僅かな鏡面仕上げが、実用性だけでなく遊び心を感じさせます。

耐磁性の高い軟鉄製インナーケースが備えられ、高い実用性を持ち合わせています。
これはコックピット内の磁気干渉を引き起こす機器から守るために搭載されましたが、身の回りに磁気が溢れる現代社会においても非常に心強い時計です。

 

サファイアガラスは、光の当たり具合で青白くガラス表面をなぞります。
これは両面に無反射コーティングがかけられており、高度10,000mの強い太陽光の下でも時刻を正確に読み取れるようにするためです。
また離着陸の気圧変化に耐えられるようドーム型を採用し、力を分散しています。

 

現行で展開されるマークXXとの違いでまず挙げられるのは日付ディスク。
マークXXは日付ディスクが白色で、ダイヤル他のプリントと同色にすることでバランスを取っています。
しかしマークXVIIIは、日付ディスクが黒色。
ダイヤルと同色にしていることで日付窓を強調しない、文字盤との親和性が保たれたデザインが魅力です。
マットブラックを引き立てる白いインデックスと日付は、高いコントラストと夜光によっていかなる環境でも視認性を確保しています。

 

マークXVIIIは2016年から2022年まで生産しており、2018年に1度マイナーチェンジをしています。
変更点はムーブメントです。
2002年、「ETA社ムーブメントを他グループへの供給を廃止する」とスウォッチグループが発表しました。
その声明に伴い、今までETA社ムーブメントを使用していたブランドは、段階的に自社ムーブメント開発、もしくは変更を余儀なくされました。
このマークXVIIIもETA 2892-A2を搭載しており、2018年にセリタ社のSW300へとマイナーチェンジしました。
このマイナーチェンジでは型番が変更されているため、生産時期の分からない個体でも型番さえ判明すればどちらのムーブメントを搭載しているかが分かります。
今回紹介しているマークXVIIIはETA社のムーブメントを採用しています。

 

いかがでしたでしょうか。

操縦中のミッションを完遂するために誕生したパイロットウォッチは、現代における趣味嗜好品の腕時計とは使用されるシーンが異なります。
パイロットのための計時機器であったマークシリーズを現代の日常で嗜む。
現行にはない僅かな違いを持つマークXVIIIは、ストーリーやデザイン含めて楽しめる時計です。

 

是非、直接手に取って御覧ください。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。

 

 

◆IWC – パイロットウォッチ マークXVIII

【REF.(型番)】IW327001
【素材】ステンレススティール
【文字盤】ブラック
【ベルト】レザー
【ムーブメント】自動巻き
【ケースサイズ】40mm
【防水性能】日常生活防水
【付属品】国際保証書(無記入)・説明書・携帯ケース
【商品の状態】中古品
【保証】1年

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